こんにちは。スタッフの鴨藤です。
先日、第57回静岡県精神保健福祉協会の記念講演に参加してきました。
「日常に活かすオープンダイアローグ」のテーマで筑波大学の斎藤環先生がご講演されましたので簡単に報告します。正しい情報という保証はできませんので、成書や論文を参考にして下さい。
最初にですが、オープンダイアローグにご興味のある方は、オープンダイアローグネットワークジャパンでサイト検索してください。オープンダイアローグ対話実践のガイドラインの資料提供がされています。
そちらを見て頂ければ、これ以降読まなくても大丈夫です。笑
今回は、オープンダイアローグの基盤となる「対話」について触れたいと思います。
斎藤先生のご講演の中では、特に「対話」について重点的に説明されていたと思います。
「対話」は説得や議論とは異なり、「お互いに正解をもっていない状態」で行われる双方向のものです。
「対話」と似た言葉で「説得・議論」がありますが、これらは結論が出ているもので一方通行となります。
対話をするときは、あなたの体験を教えて欲しい、知りたいという態度をとり、他者のことは100%理解できないという前提のもと、経験を交換し合う、視点を交換することによって対話は成り立ちます。
今回の「日常に活かす」という講演のタイトル通り、家庭内、職場、利用者さん、どんな方とも対話は有益です。
対話をすることの目的は、「対話を続けること」にあります。
何かを決める、結論を出すことではないです。
――下心なし! 改善や変化を期待しない!――
対話を続けることによって、副産物として、予想を超えた変化が起こるものです。
このような対話を続け、広げ、深めることを目指します。
ここまで読んで簡単だと思う方もいると思うかもしれませんが、対話を続けるには迷いが必ず生じます。何か結論を出してしまう方が、対話を続けるよりも精神的には非常に楽だからです。
しかし、決定しないという状況を楽観的に捉え、決まらないという不確実な状態に耐えることが必要です。決めようとする姿勢をとると、対話ではなく説得や議論に変わってしまいます。
「対話」をするときは、相手に対する感情の揺れがあるかもしれませんが、重く考えすぎず、一緒に対話を楽しめるぐらいにしたいですね。
そして…
今回の講演で一番肝心なこととして斎藤先生がお話しされていたことは、「オープンダイアローグ対話実践のガイドライン」が作成されており、特別な研修を必要としないため、是非臨床に取り入れて欲しいこと。そして、取り入れた場合お試しでやめるということはしないでほしいとお話しされていました。
今回の講演参加者の多くは、オープンダイアローグを知っている方がほとんどでした。
受け取り手にもよりますが、どんな新しい手法も、最初は既存の考え方を変えるまでにかなりの時間を要すものです。
新しいことを取り入れるにはエネルギーが必要かもしれませんが、まずは実践あるのみで取り入れていきたいですね!
読んでいただいた方、ありがとうございました。笑